UN-GO#10「海勝麟六の葬送」

 濃密な脚本は相変わらず。しかもその濃密さが、今回のみならず、過去のエピソードを踏まえているとさらに味を増すあたり、見終わって満腹感でいっぱいになりすぎです。

 なにもかもが怪しく、なにもかもが頼りなく、真実はひとつではなく、そのなかで美しいものを求めた彼女は。

 最終回前に相応しく、また、三部作の中編に相応しく、これまでに敷かれた伏線を消化しつつ、さらなる謎を呼ぶ物語に、本当に食い入るように、おもしれーなーもう、と呟きつつ、見てしまいました。

 ハンカチの伏線はたいへん分かりやすく、誰でも気がつくものでしたが、水野が矢島の事件を口にしたことが伏線になっていたとか、全然気づかなかった。でも、確かにちょっと「あれ?」と思わないでもなかったんですが。あの場で突然「矢島さんの事件は」云々と言い出すのが、唐突ではあったので。ってこれだとちょっとメタ視点だな、反省。

 そして、速水は完全に新十郎の協力者になっているし、前回のあれは何だったのやっぱりミスリード
 国会のシーンで速水は虎山の隣に居ましたが、同時刻と思われる因果と別天王の会話シーンでは、別天王の背後に人影(別天王の主?)が居たし。
 別天王の主については、ほんと分からない。というか、事件の真相にしろ何にしろ、全然分かりませんけれど!
 私はわりとミステリを多く読んでいる方だと思いますが、基本的に推理しながら読むということはせず、ただ探偵役に身を委ねて読むたちですので……ええ。

 別天王の主についてや、爆破事件の真相については、いろいろ脳内で想像(推理じゃなくて)しつつ、素直に次回を待ちたいと思います。

 一方で気になるのは、物語全体の流れのなかで動いてゆく登場人物たちの心。
 梨江が麟六に抱いていた複雑な思い、新十郎と因果の「御霊」を通じた関係性、泉が冷静な顔の下に隠していた義憤。
 速水は……未だ分からないことが多いですが。そして風守はおいしいポジションだなぁ。人工知能であること、途中参戦のキャラであることで、完全に傍観者としての立ち位置を手に入れている。とは言え、OPとEDでの扱いを見ると、最終回で重要な役割を果たす可能性もあるかとは思いますが。

 個人的には、新十郎と因果の関係の行方が最も気になります。新十郎が虎山に平手打ちされて、頬から血を流した場面では、映画「因果論」をなんとなく思い出してしまったし。

 ともあれ、泣いても笑っても、あと一回。こんなに面白いのに、淋しいなあ。勿体無いなあ。
 ……でも、最後まで、楽しみます。

 最終回へと導く、パーティの招待状。
 公式サイトの予告にある新十郎の台詞。

 「私も呼ばれたんですよ。
  つまり、なにか事件が起きるってことだ、
  大事件がね」

 第1話の要素を踏襲してくるとか、今からテンションMAXになってしまうからやめてーやめてー!

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 表紙イラストきてたー!美しゅうございますダブル因果さん&新十郎さん。既に予約済、発売が楽しみ。

 そうそう、先週嘆いていたOPですが、結局、アニメイトで買ってきました。


 おまけのカードは新十郎。らっきー?
 DVD収録のOPは、やはりDVDクオリティで画質はダメダメの上、スタッフのテロップは入ったまま、それでいてラストのサブタイトル画面が真っ黒という、ぶっちゃけ劣化仕様でがっかり。
 PVの方は、なかなか……なんというか……独特のセンスで、面白うございました……なんで蟹なんだろう……。
 楽曲は文句無し!OP曲、1番と2番では全然印象が変わるというか、Aメロ→Bメロ→Aメロみたいな素直な作りじゃないので、聴いていてだいぶ刺激的。良き曲であることよー。

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How to go(アニメ盤)(期間生産限定盤)(DVD付)
 今はもう普通に在庫が有ります。値引きもされているので、あまぞんちゃんでの購入がお得。多分きっと。……ちくしょう。

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