映画『スクライド オルタレイション TAO』

 アニメファンの聖地、シネマサンシャイン池袋にて。見てきました。

 新作パート、新アフレコ、デジタル・リマスター。ぶっちゃけ総集編なわけですが、新作パートが気になったし、TVシリーズは夏に一気見したところなので、記憶の鮮明さと曖昧さのバランスもちょうど良いところかなーと思いまして。

 劇場内に貼ってあった、後編のポスター。格好良すぎるだろう!

 平日の昼間ということで、客入りはそれなり。いや、けっこう多め? 半分以上は埋まっていた気がするし、売店には列が出来ていました。パンフレット購入率が半端ないということはありますが。
 レディースデーの割には男性の比率がけっこう高い感じで、年齢層は高く、雰囲気良さげな。

 新作パートはあまり多くないということで、期待しすぎないようにして行ったんですが、なかなかにテンションが上がりました。過去エピソードのフォローであり、本編での人間関係のフォローでもあり。っていうかTVシリーズでも、これが導入になっていてくれたら、もう少しかなみに感情移入出来たような気がする……。
 ともあれ、新作パートは基本的に過去エピソードと、戦闘シーンが主だったところでしょうか。
 パンフレットの対談にありましたが、元が10年前のTVシリーズということで「前向きに手を抜く」ことにより、新作部分が浮かないように気を配ったとか。おかげで、あれ? 今のシーンって新作だっけ? と悩むことがしばしば。TVシリーズは一回通して見ただけなので、あまり覚えていないから、というのもありますが。

 新アフレコにも特に違和感は無く。
 じっくり聞き比べたらそりゃだいぶ違うのかもしれませんが、少なくとも頭の中にある「キャラクターの声のイデア」的なものには完全に合致。むしろ演技の成熟を楽しむ、くらいの気持ちで。新旧のパートにも引っかかりはありませぬ。当たり前か。
 そして、追加シーンにクーガーの早口台詞があったのは、だいぶ嬉しかった……。
 今回、クーガーまじクーガーな映画になっていて、なんという皆得状態。新作シーンの登場率も高い高い。こんなに掘り下げられちゃって、後編ではどうなっちゃうの、と、むしろ戦々恐々。

 ストーリーは、再構成と銘打っていますが、呼び方はどうであれ、やっぱり総集編。だいぶ急ぎ足感というか、「ああ、総集編なんだなあ。ここでエピソード取り上げて、このへんでカットしているんだなあ」という印象が強いです。
 TVシリーズを知らない人が見たら、話のおおまかな流れを把握することは出来ても、つぎはぎ感に疲れそう。かなみ以外の女性キャラクター(水守、シェリス)の出番はかなりばっさりカットされているのも、けっこう残念。

 しかし、基本的にはちゃんと話に一本筋は通っているし、大画面の迫力と映画館の音響で見るスクライドは、それだけで大変楽しく、満腹になれます。
 TAO……「道」というテーマを思い切り前面に出しているのも、分かりやすく、潔い。
 良い意味でシンプルに「男らしい」作品であります。

 そうそう、パンフレット購入しました。800円也。いいお値段。
 でも内容はそれなりに充実していたので、納得は出来なくもない、かな。イントロダクション、ストーリー、人物相関図、設定資料ちょこっと。保志総一朗×山崎たくみ対談、谷口悟朗×黒田洋介対談、神宮寺訓之インタビュー。対談はページ多めで読み応え有り。写真も多く、中の人ファンには特に嬉しいんじゃないでしょうか。
 欲を言えばこの値段なら、綴じ込みピンナップをつけて欲しかったかなあ。一応キービジュアルはありますけれど。

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スクライド オルタレイション TAO (初回限定版) [Blu-ray]
 BDは2月発売予定。特典で、劇場パンフレット縮刷版とライナーノートが別に書かれているのが嬉しい。ブレブレでは、ライナーノート=パンフレット割愛&縮刷版で、かなりがっかりしましたもの……。
 その他めぼしい特典としては、オーディオコメンタリかな。声優オンリーじゃなく、監督なり脚本家なりも交えたものだと嬉しいんですが。