輪るピングドラム#19「私の運命の人」

 物語は収束しているのか、それとも拡散しているのか。
 そんな言葉遊びめいた感慨を抱いてしまう、いつものピングドラム、平常営業。

 観念的な演出、多層に意味を含ませた台詞回し、仕掛けを隠して丹念に描かれる作画。それこそが平常営業。
 今にして思えば、苹果編というかストーカー編というかあのあたりは、実は「明るく楽しい日常生活」の描写だったのか、も、しれない……?
 いずれにせよ、いろんな意味でトチ狂っているとは思います。

 これまで聖域のように扱われてきた陽毬に、とうとうスポットが。物語の立脚点そのものに関わる爆弾でありました。
 兄妹ものと言ったら定番のネタではあるのですが、逆に定番すぎてこの作品でやられるとは思わなかったというか、てっきり近親相姦と思い込んでいたというか(あっ)……先入観って怖いですね。と、思わず嘆息。

 しかしそうすると、高倉家の背負った十字架は、陽毬にはどうなるのか。加えて、トリプルHの時の事件も、今にして思えば微妙すぎる家庭のバランスの上にあったわけで。

 ……あーもー考えると滅入ってくる。
 そんなアニメって、分かっています。分かっていますとも。
 だからわたしはかんがえない。
 あたえられる映像をただ見るのみ。

amazon link

輪るピングドラム 2(期間限定版) [Blu-ray]
 BD、第2巻の表紙は高倉兄弟。雰囲気あるなあ……でも、出来れば「兄弟」じゃなく「三兄妹」の、幸せそうなジャケットも、見てみたいなあ。「三兄妹」としての。最終巻で見せてくれたりしないかしら。
 それが赦されるような最終回を、迎えてくれるかしら。