UN-GO#6「あまりにも簡単な暗号」

 暗号が簡単すぎたこと、その訳は。

 いつものことですが、今回もまたクオリティの高い映像でありました。とにかく情報量過多な脚本を、演出ががっちりとフォロー。作画で細かい部分を拾い上げる。
 というか、本当に毎回、圧倒されるほどの情報量だよなー。ぼんやり見ていると(それでもそれなりに面白いのだけれど)「あれっ?いま何をしてるんだっけ?この人は誰でどういう利害関係があるんだっけ?」とか思ったりする。ちなみに私の場合、第1話がこの状態でした。なまじニュータイプエースでのコミカライズを先に読んでいたせいで、人物配置をふんふんと聞き流してしまったのが敗因。

 しかし集中して見ると、ほんと面白いです。

 前半は導入。今回の依頼人を紹介し、依頼を説明し、その合い間に風守と因果のおもしろ役立つ(役立つのは風守だけという説も)シーンをこれでもかと詰め込んであって、見て楽しい場面がいっぱい。
 事務所で新十郎、因果、風守がだらだらするシーンとか、それだけ見ていても楽しいんだよなあ。もっと見たいんだよなあ。キャラが立った今だからこそ、そう思うのかもしれませんが。
 例えばこれが凡百の作品であると、第1話は事務所でだらだらする主人公達のところに依頼人がやってくる、というかたちで入ってきそうじゃないですか。
 その定型パターンを、折り返しの6話で初めて持ってくるあたりが、なんとも面白いというか。

 簡単すぎる暗号が、なぜ簡単であったのか。暗号を隠した本が、なぜ運び出されたのか。
 短い尺の中で、感情が錯綜し、きちんと(?)いくつもの疑いが交差するつくりとなっていました。

 そしていつもの如く、真相を明らかにしつつも、ぼんやりとした不安めいたものを漂わせて終わる。
 真実や、正義や、その他もろもろ、すっぱりと割り切れるものだけではないしがらみの数々を、しがらみのまま、引きずらせたまま、エピソードを閉じる。
 これが好かない人はとことん好かないかもなあ、と思ったりして。

 新十郎はいつも真実に到達しており、世間での呼び名は敗戦探偵でも、実質は負けているわけではない。そう初期では思っていたのに、なにやら見ているうちに、真実を明かすことこそが、実質の負けであり、敗戦探偵という呼び名の所以ではないのか。
 そんな風に思うようになってきたのも、作品の意図通り。なのでしょうか。

 なにやら不穏な「小説家」なる存在が出てきて、連続ストーリーとしての引きが生まれた今回。
 現実で書く小説。いわゆる、糸を引く存在……プランナータイプは、名探偵のライバルとして典型ながら、たいへん燃える存在。
 後半戦、どのように進んでいくのか。楽しみです。

 来週までには映画『因果論』も見に行くぞー。予定。

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 1月27日発売予定。けっこう後発なんだな。BDのCMが入ったことによって、だいぶ購買意欲が刺激されたり。やばいやばいよ。
 特典はオーディオドラマCDが目玉なのでしょうが、個人的には映像特典のノンテロップOP・EDのが楽しみです。ほんと、楽曲+映像において、今期最高のOPとEDだと個人的に思う。