輪るピングドラム#15「世界を救う者」

 かつてはあんなに見ていて苛々させられたのに、気がつけばゆりに感情移入していた自分が不思議でござる。
 ここ最近、話にドライヴがかかってきた感のあるピングドラムであります。

 まずは新OP披露。基本的にこれまでのものとイメージは統一されていますが、若干不穏なのが、旧OPよりさらに冠葉のみ立ち位置が違う点が強調されているように感じること。
 そして陽毬よりも苹果の方が存在感があるような、というか、当初から苹果がヒロインだったんじゃないですかこれーやだー。
 むしろ桃果が真のヒロインなのかもしれませんが。

 ゆりの過去、桃果との経緯が明かされました。そして運命を「のりかえる」という行為。
 いわゆるループもの……フラグ分岐点からのやりなおしや、二周目プレイというよりは、フラグそのものを書き換えて、その結果だけを手に入れるようなイメージでしょうか。
 ちょっと面白い概念です。ここまで独自の世界の積み重ねがあるから、すんなりと腑に落ちるものでもありました。

 1クールで個人的にあまり好感の持てなかったキャラクターがどんどん魅力的に描かれはじめていて、こりゃ現時点でどうにも受け付けない夏芽真砂子嬢&エスメラルダも、どっかで引っくり返されるのかな。と、どきどき。
 すりつぶす、って怖いですよね。怖いです。

 予備知識無しでわくてかできるオリジナルアニメは、やっぱり良いものだなあ。ただ、この作品の場合、伏線を拾いきるかどうか不明……というか、開始当初から、すべてに明確な回答を与えるとは思わずに見ているので、わりと気楽です。
 のんびり楽しんでいます。

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輪るピングドラム (中) (一般書籍)
 小説版中巻、10月27日発売予定。上巻ではだいぶ先の話まで判明してしまい、いろいろと物議を醸した本ですが、中巻はどのへんまで収録なんでしょうか。やっぱりアニメで先に見たい……なあ。