UN-GO#1「舞踏会の殺人」
原作未読。坂口安吾はわりと好きな作家です。と言っても2、3冊しか読んでいませんが。
ニュータイプ&ニュータイプエースのコミカライズを先に読んでいるので、若干の予備知識、先入観はあったかも。
全体の雰囲気のお洒落な感じは、だいたい予想した通りでした。事件をきちんと一話完結にしたことは(この先は分からないけれど)潔い。主登場人物のあらかたを紹介しつつ、雰囲気と世界観を提示しつつ、エピソード単体としても完結させている。こういう誠実さを持った作品は基本的に好みです。
不安要素であり、楽しみな要素でもあった主演の勝地涼は、予想外に良い感じ。きちんとキャラクターに合った声質と演技で、因果に振り回されるところは適度に愛敬があって、なにやらときめきました。新十郎いいね新十郎。
面白いなぁと思ったのは、この登場人物群、「捜査する」「推理する」キャラクターばっかりなんですね。
主人公たる新十郎はもちろん、梨江も、麟六も、広く取れば虎山も因果も。
それにより、いわば推理の多重構造となっている。で、実際の推理合戦では頂点に立ちつつ、敗戦探偵という地位に甘んじる新十郎の思惑は、奈辺にあるのか。
もうひとつ、因果の正体は何なのか。人外のもの?
因果の謎も含めて、この作品の世界そのものが、酷くアンバランスで、面白いなあと。
今後、あまり観念的な方向に行かないでくれればいいな、と思いつつ、視聴続行。
映画を見に行くことも視野に入れています。現状。個人的に、今期ではだいぶ楽しみなほうの作品にランクイン。
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明治開化 安吾捕物帖 (角川文庫)
原作。と言っても、着想を得たという程度のようですが。そして現時点では絶版のようで、在庫はマケプレのみ、品薄状態。なのですが。
古い作品なので、著作権フリーということで、青空文庫に収録されていたりします。
:青空文庫 明治開化 安吾捕物
いい世の中だなあ。