MOOK『TIGER&BUNNY 公式ガイドブック HERO gossips』&『TIGER&BUNNYロマンアルバム』

 ほぼ同時発売の2冊。両方とも購入いたしました。
 適当に感想とか、内容の違いについて紹介めいたことを書いてみます。どちらを購入しようかと迷っている人の参考になれば。

 ちなみに前回のMOOK本感想はこちらに。

 MOOK『TIGER&BUNNY オフィシャルヒーローブック』&『TIGER&BUNNY 公式ムック HERO TV FAN』

 この前回の2冊、10月下旬にPart2が発売されますが、多分これらを買うよりも、今回の『gossips』もしくは『ロマンアルバム』のいずれか1冊を買う方が、お得感があるし、総括的に楽しめるのではないでしょうか。と、個人的には思います。
 ちなみに、私は全部買いますよ。ええ。

amazon link

TIGER&BUNNY 公式ガイドブック HERO gossips
 公式ガイドブックと銘打たれているのは、特に考慮しなくて良いと思います。ロマンアルバム以外の全てのムックは「公式」とか「オフィシャル」とか名乗ってるし。
 HERO gossipsの名前の通り、キャラクターに絞ってスポットを当てた潔い構成。ことに、西田征史氏による「ヒーローに100問100答」や「密着・ヒーロー48時」、「もしもヒーローが○○だったら」は、下手を打てば寒い企画になりそうなところを、さすがの絶妙さで回答してくれていて、読んでいて至福でありました。
 設定資料も充実。サブキャラや、衣装のバリエーション等、細かくフォローの上、掲載されている点数も現時点で最も多い。その分、小さめではありますが。
 ストーリーの振り返りはごく普通のまとめ方ですが、毎回の「事件」についての各ヒーローの関わり方をちょこっとまとめてあるのが良かった。それと、年表のように時系列で事象をまとめたページが置かれているのも嬉しい。実際この作品って、過去の出来事と時間経過とで、頭がごちゃごちゃしがちですから。
 1ページだけですが楽しかったのがアフレコ現場潜入記事。24話Bパートの収録中に取材ということで、小ネタ裏話集になっているあたり、たいへん美味しゅうございます。
 インタビューは、スタッフがさとうけいいち監督、尾崎雅之エグゼクティブプロデューサー、田村一彦プロデューサー&松井千夏プロデューサー。それとシリーズ構成・脚本の西田征史氏。
 いずれもそれなりの内容というか、まずは番組終了してお疲れ様&あの熱気は凄かった!という話がメイン。二期の可能性については、とりあえず、まあ、応援してね!そしたら何かあるかもね!と、におわせるのみ。
 興味深いのは、中核メンバー全員分の、ほぼ同時期のインタビューであることによって、それぞれの作品への意識や思うこと、立場の違いなどが、わりとはっきり見えること。テンションが高いのは全員共通している(と思う)んですが、良い意味で共通している部分、良い意味でずれている部分が、よくよく読み込むとうっすらと見えてくる……気がします。
 キャストインタビューはヒーロー全員分(主役ふたりは対談形式、他6人は座談会形式)。
 平田広明氏が、なにげに17話の実家帰省時の虎徹と同じ服装をしているんですが、これ狙ってますか狙ってますねそう信じています。キャラソンについて語ってる部分とか、リアルにあのノリのかけあいをしてる感じが、可愛らしゅうございます。それにしても森田成一氏はどんだけ虎徹ラブなんだろう、と、この手の記事を読むたびに思うのである。そして、平田さんが虎徹にツンツンなことで、素晴らしくバランスが取れていると思うのです。まあ、あれだけ「平田さんの演技あってのキャラ」「平田さんを意識して台詞を作った」と言われたら、そりゃ素直に「自分でも大好きなキャラです!」とは言えんわなあ。難儀なことだ!
 ほか6人の座談会も、仲良さそうで嬉しかった。ほんとに「チーム」になっているんだな、と思わせてくれます。

amazon link

TIGER & BUNNY(ロマンアルバム)
 このロマンアルバムという名称で恐れをなした男性ファンが少なからず居たようですが、これ、徳間書店のアニメムックのシリーズ名なだけですからねー。由緒正しい歴史あるシリーズなんで、このレーベルで出るということは(ジブリ作品はデフォなので除くけど)アニメ作品として、一定以上の格付けが為されたと思って良いんですからねー。
 内容はさすがの優等生的なクオリティ。アニメージュ本誌に掲載された版権絵を再掲し、キャラクター紹介、ストーリー紹介、設定画。シュテルンビルトの全景が描かれた見開き解説ページは、なかなか壮観です。キャラクターの住居やオフィス等の背景設定も若干収録。
 ストーリー紹介は西田征史氏の一言チェックポイントつきで、場面写真多数掲載。それと、あらすじをなぞるだけではなく、吹きだしやコメントで独自の視点を打ち出しているのが読み応え有り、ですが、ひとつの話につき複数の視点・観点からのコメントが入っているのは、若干読みにくくもあり。
 あ、本誌再掲では、水玉螢之丞三輪士郎の四コマ&一コママンガもありました。ちょっと嬉しい。
 インタビューは、キャストが主役ふたりの対談形式+寿美菜子さん+井上剛さん。その他のヒーロー&ルナティック&マーベリック&斎藤さん&アニエス&楓、については、キャストコメントのみ。と言っても、サブキャラのコメントが載るのもわりと珍しいので、これは貴重。インタビューの方は、ここでも平田さんが虎徹にツンツンで、なのに誰よりも深く理解していることも伝わってくる。当たり前だけど、やっぱり嬉しい。
 スタッフインタビューは、さとうけいいち監督、田村一彦P、松井千夏P、それとアサツー ディ・ケイの中の人(?)のものが少量だけ。広告についての話はこれまであまり取り上げられていないから、なかなか面白かったです。企業の反応、知りたいよね。広告効果もね。喜んでくれていたら、嬉しい……とか思う不思議なファン心理。
 あとは、さとうけいいち監督のインタビューが、これまで読んだ中で最も分量が多く、全体を総括して語っていることもあって、読み応えがありました。監督インタビュー記事の決定版になりそうな。
 どんな想いを、どれだけ詰め込んで作ってくれたかが良く分かって、感動的でした。

 総合して、2冊のうちどちらに軍配というのは、今回は難しいです。キャラ萌えとしてはgossipsの方が絶対楽しいですが、ロマンアルバムの落ち着いた距離感と充実のインタビューも捨てがたい。あとロマンアルバムは、この表紙イラストの虎徹とバーナビーをそれぞれ単体にしたピンナップポスターが閉じこまれていて、これもポイント高い。gossipsも表紙イラストポスターは入っていますが、個人的にロマンアルバムのイラストのこてっさんが鬼のように好みなので!なので!

 まあ、両方買うがいいよ!
 どうしても片方、というのなら、キャラ萌えで転がりまわりたいならgossips、インタビューにじんわりしっとりしたいならロマンアルバム、そんなところで。
 でも、両方買うがいいよ!ほんとに!