うさぎドロップ#11「はじめの一歩」(終)

 さりげなくて優しい、日常のひとこまひとこまを丁寧に紡いだ最終回でした。

 先週はコウキママが風邪を、という引きを作って終わっていたので、アニメの最終回らしくドラマティックに盛り上げてくるのかな?と思ったら、あっさり冒頭で処理されていてびっくり。
 けれど、その後のつなげ方を見て、納得。波があって、けれどずっと続いていく生活というもの、親と子というもの、いきかたというもの。
 押しつけがましくなく、それらについて語っていて、いろいろ身につまされつつ、じんわりと心に沁みました。
 なわとびのシーンが、子ども・大人ともに示唆するものが多々あって、実に良かった。

 この作品、親世代についてはやけにリアリスティックな部分があって、しかしそれらをひょいひょいと飛び越えてしまう大吉を見るのは、カタルシスがありました。
 子どもたちについては、りんが、様々な出来事を自然体で、けれど子どもらしさはそのままに受け流していく様子を見るのも、カタルシスがありました。
 ふたりを見ていると、やけに安心できた。なんだか、もうちょっと、頑張らないといけないなあ。と思わせてくれた。
 ……しんどいこともあるけれど。

 乳歯から永久歯への生え変わりに、さらなる成長へと踏み出すりんを象徴させて、元気に、それでいてどこかしっとりと終わらせる。
 殊更なクライマックスは無くとも、満足感のある幕切れでした。欲を言えば、もうちょっと、見守っていたかったなあとも思いますが。

 素敵な作品を、ありがとうございました。

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うさぎドロップ 5 (5) (Feelコミックス)
 二期があるとしたら、やっぱり成長後なのかなあ。賛否両論の10年経過した原作5巻以降。そして賛否激論らしい最終巻。いっそ小さいりんのままでもう一期やっちゃう方がいいのかもなあ……。