輪るピングドラム#9「氷の世界」

 面白うございました。
 閉鎖された空間を、閉塞感に苛まれつつたゆたう。いかにも幾原邦彦らしい世界観で、見応えがありました。

 というか、知っている誰もが「少女革命ウテナ」を思い出したでしょうね。あの作品で用いられていた演出の、いわばセルフパロディのような内容だったので。
 私の場合、ウテナは確か16話くらいまではレンタルで見た記憶があるので、ニヤリと出来ましたが、知らない人にとってはどうだったんだろう。シュールすぎる?
 この作品の場合、今さらですか今さらですね。

 それはまあ置いといて、陽毬の掘り下げがじっくりと楽しめる回でした。なにしろここまでが苹果苹果苹果さらに苹果、で、陽毬の出番が少なすぎでしたから、ある意味、溜飲が下がるような気分に。

 純粋無垢なだけじゃない、少女らしい我が儘も備えていて、ゆえに不幸な事件を起こしてしまった過去。
 誰であれ、心の奥に何らかの暗がりを持っている。
 村上春樹が愛読書っていうのも、なんというか。そういえば前の会社に村上春樹では「かえるくん、東京を救う」が一番好き、という営業がいましたっけ。その影響で、カエル全般が好きになってしまったのだとか。

 閑話休題
 いろいろと意味ありげなモチーフがたくさん出てきて、考察好きな人には垂涎の作品となりつつある……かも。
 私はアニメを見て頭を働かせるのは苦手なので(自分的萌え&燃えがある場合は無駄に妄想が暴走しますがそれはノーカウント)、饗されたものを、そのまま身をゆだねて味わうのみ。
 楽しみかたの選びかた。選べること、それが重要で、贅沢。

 分かりやすいところだと、眞悧=OPのピンク髪が男だったことに驚いたくらい、ぼけっと見ていますから。ええ。

 ピンク髪、それもああいう淡い色合いのピンク髪男性キャラって、レアにも程がある……。

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 ウテナ、2008年にDVD-BOXが出ています。が、お値段が若干高めの設定。ピングドラムに合わせてBD-BOX出したりしないかしら。かしら。あるいは廉価版。