神様のメモ帳#10「きみについて」

 このアニメらしい、翳りのある演出が冴えた回でした。
 っていうかこれ原作1巻のエピソードなんですかまじですか。どうして時系列いじるのかなあ……。

 原作つき作品で、原作の時系列をいじるアニメ、多々ありますが、どうにも好きになれません。
 原作は原作で、そのスタート地点を最善のものとして構想され、書かれた(もしくは描かれた)ものなのに、安易にいじくりまわす作品が多すぎる。

 ただ、この作品については、原作者書き下ろしのオリジナルエピソードを第1話に持ってきていたということで、若干ニュアンスが違いますが。
 わざわざそこまでして変えたファーストエピソードを、アニメのファイナルエピソードにするからには、それだけの効果を持たせられると踏んでのことなのでしょう。おそらく。

 ……という、作品外のあれこれを除けば、冒頭に書いた通り、透徹した演出が小気味良い、良回でした。
 すれ違い、また出会い、そして離れていく心。
 空、街、雑踏。ことに「色」によって表現される情感が、不安を煽りながら、優しさをもはらんでいて、不思議な感覚。

 彩夏の心のうちに動いていたものは、何だったのか。

 ともあれ、次が気になります。

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 ここに来て原作1巻のエピソードということは……うーん。どうしよう。そのうち読むつもりだったんですが、今読んで来週を待つという選択肢もあるな。うーん。