Steins;Gate#21「因果律のメルト」

　原作をプレイしていると、けっこうどっきりさせられるサブタイトルでしたが。なにしろ……ねぇ。
　しかし、紅莉栖というより、まゆりにスポットの当たる回だったなあ。

　今回、一話通して、実は物語そのものは全然進展していないんですよね。ストーリー進行としては、唯一、紅莉栖に対して、最後のDメールによる分岐が何をもたらすかを明かしたのみで。

　では何の話であったかというと、オカリンの葛藤を描き切ることに注力した回かな……と。
　紅莉栖とまゆり、はからずも天秤にかけることとなり、選ぶに選べない。しかし選ばないという選択肢を取れば、それは必然的に「まゆりを選ばなかった」ことに繋がる、というジレンマ。
　無情なタイムリミット。

　まゆりが内面に抱えていたものを吐露するシーンがまた、辛い。
　祖母の墓前で淡々と、しかし切々と語るまゆりの姿は、単なる天然キャラには留まらない、キャラクターとしての説得力と存在感に満ちていて、圧巻でした。
　それを立ち聞きしてしまうことによって、オカリンはさらに追い詰められていく。

　対して、己の運命を明かされた紅莉栖の態度もまた、見応えのあるものでした。目に見えるかたちでは出ていなくても、声の内側、身体の内側がきっと細かく震えている、動揺している。見ていて、そうと感じ取れる。

　三者三様の、心理状態のスケッチ。

　ともあれ、材料は出揃いました。ここからどういう道を辿るのか。どうまとめあげていくのか。
　次回のサブタイトルが気になります……。