輪るピングドラム#6「Mでつながる私とあなた」

 Mでつながるのは良いとして「私」と「あなた」は誰と誰なのか。最後に表示されたタイトルを見て、そんなことを考えたり。

 毎度ながら、奇妙なお話でありました。いや話そのものは粛々と進んでいて、進行だけ取り出してみれば別に超展開というわけではないのだけれど、演出の尖りっぷりで、煙に巻かれてしまうというか。

 苹果の行動の根底にあるものがはっきりと提示されて、だいぶ印象が変わりました。正直、あまり好みではない言動だったのですが、それなりに納得の行く動機がきちんとあったことで、受け入れることは出来るかなあと。

 しかしひとりの行動原理が分かったと思ったら、もっと不可解な人物が鎮座ますこんな世の中、もといこんな作品。

 真砂子については何もかもが謎すぎてもう。四匹目の存在にしても、材料が少なすぎて何がなんだか。
 ただ身を委ねて、見るのみであります。それにしても、名前、なつめまさこって……うううん。

 登場人物が増えるにつれて、陽毬の影が薄くなるのは、ちょっと気にかかる最近。
 突然の生存戦略もいいんだけど、天然おとぼけ陽毬が、気がついたら帽子を被っていて、えっ。というシチュエーションが好きなので、淋しいです。

 次第に、群像劇の様相を呈してきているのかな。初めに思ったほど三兄妹中心じゃないのかなあ。という。
 出番の多さ的には、苹果の方がヒロインっぽいしなあ。

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輪るピングドラム 上
 小説版。いっとき品薄でしたが、潤沢になっている模様。レビューには、何話までのネタバレになるか、はっきり書いている人が……。