銀河機攻隊 マジェスティックプリンス#6「卒業」

 この第六話でひとつの区切り、一章の完結ということで、いったいどんな話が来るのかとびくびくしていたら、五人の卒業をとても素直に、丁寧に描いたエピソードで、お約束てんこもりの定番話ながら(だからこそ?)安心して、心を委ねて、見ることが出来ました。
 委ねすぎてちょっと泣けたのは秘密なんだぜ。

 この作品を見ていて、しみじみと好きだなぁと思えるのは、たとえば今回のアサギ。
 チーム結成時の回想では、他のメンバーを見て不満を露にするときに「こんな落ちこぼれと?」とか「こんなガキと?」とか、そういう他人を下げるマイナス方面ではなくて、「全員が自分より年下?」という感慨を抱く。そういうところ。他者への攻撃に転化することがない。
 反面、これまで五人で頑張ってきたことを軽侮されて、思わず殴りかかってしまいそうになる場面もあり。
 ストイックであり、人間くさくもあり、無意識において仲間意識が強まっているであろうこともうかがわせてくれる。
 たぶんこれ全部、計算してやっていることなんだろうな。

 うん?コケたことといい、リンケージ成功の格好良さといい、今回もしかしてアサギ回だったのか!地味すぎるけれど!

 まあ、他のメンバーも皆、いろいろと描写が深められておりましたが。
 卒業回とか言われても今まで学園生活ぜんぜん出てきてないし、思い入れのしようがないじゃん。という意見を多々見かけましたし、それはそれで理のあることと思いますが、ここまで見てきてザンネン5への思い入れが育っていると、彼らの感情に寄り添って、感慨を抱くことは普通に出来るのではないかな、と。

 そして、彼ら自身、不協和音を奏でつつも、少しずつ思い入れが育っていること……キャラクター間の距離が縮まっていることを、互いに感じている。学園という一応の「帰る場所」をなくして、よすがとなるものがお互いの存在のみとなってしまったことを知っている。
 ある種の共依存関係と呼べないこともないですが、それよりも家族のような空気が強く出ているためか、切なさの方が勝っているように感じられる。それでいて、どこか危うげな感じが引っかかって残る感もあり、この先どんな展開もありそう、どんな展開になっても面白そう……と思わせられます。

 そして、今回のエピソードは、「今までを思い出してしんみりするためのもの」ではなくて、「この先になってから思い出してしんみりするためのもの」だったのではないかと。

 一本の話としても、落ち着いたエピソードながら、これまでと同じく、日常会話で五人組の心が近づく様子を描写し、軍部での駆け引きや政治的な問題を入れ込み、模擬戦闘ですがきっちりとロボットアクションの見せ場も入れて(リンケージのギミックはやっぱり楽しい&ローズ3が綺麗で格好良くて可愛かった)、「一話」での充足感はたっぷりありました。

 毎回かならずロボットに乗って戦ってくれる。このサービス。満足感たるや。
 最近、けっこう多いからなぁ。ロボットの設定はあっても、毎回出てきて戦うわけではない、というスタンスのアニメ。

 そういう意味でも、とても気に入っているし、応援しています。大好きです。

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銀河機攻隊マジェスティックプリンス クリアファイル
 表情が「まだキャラ固まっていません」感バリバリのイズルとアサギ。
 アニメ新番組のお約束、「とりあえずクリアファイル発売しときますね」グッズでありますが、この作品においては、五人集合にしなかったのは大問題じゃないかしらね。必要だよね五人全員居ることが。
 Amazonではなぜかプレ値になっていますが、普通にアニメイト店頭にありました。山積みでした。ええ……。

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