THE UNLIMITED 兵部京介#10「遠い楽園 -Original Sin-」
嵐のあとの凪。
しかし水面下では未だ渦を巻いており。
ひとときのインターバルと、新たなる(おそらく、最後の)展開へ向けての、助走。
ここでチルドレンをあまり特別扱いらしくなく、オブザーバー的に出してきたことに、わりと好感。最終的に、兵部とチルドレン(薫)ではなく、兵部とヒノミヤの関係のほうを押し出していくのは、スピンオフ作品としてあるべき姿ですから。
っていうかチルドレンは本当は出さなくてもいいレベルだったと思うんだよね。バベルを噛ませずに、合衆国とパンドラの対立構造だけで話を作っちゃっても良かったのに。
バベルを出すにしても、緩衝材としての働き、また努力といったものが、もっと最初から描かれていたなら。
とにかく、どうにも茶番めいて見えてしまう瞬間が多くあるのは、エスパーとノーマルの溝、といったものが今ひとつ実感できないから、かなあ。
ユウギリの遊園地回、兵部の過去エピソードで、ある程度描写されはしましたが、あまりにも画一的な「差別的反応」だけだったので、どうにも。設定として頭には入っても、心には入ってこない。
ゆえに、「えすぱーだってにんげんなんだ!おれたちだっていきているんだ!」という青年の主張が、いまひとつ心に響かない、んだよねぇ……。
ここにしっかりと説得力を持たせることが出来たら、えらく熱い作品になっただろうと思うだけに、勿体無い気持ちでいっぱいです。
まあ、スピンオフだし、1クール作品だし、そこまで求めるのも酷ってものなのだろうけれど。
などとぶつぶつ言いながらも、全体としては、たいへん面白うございました。
早乙女の黒幕っぷり、ヒノミヤの裏切りからの裏切り、兵部の寿命問題やら不二子との甘酸っぱい関係やら。ラストの盛り上がりへ向けての準備運動は万端。
赤面ものの恥ずかしいシーン、恥ずかしい台詞で、ふっと気が抜けて笑っちゃうのも、それはそれで楽しい。ということで。
女子向けを意識して狙いすぎて滑っている風に見えるシチュエーションは、もうちっと控え目にしていただきたくもありますが……狙いすぎると離れていくものだよ?ね?
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ジャケットイラスト出てました。さすがカッケェ。もうなんか原作絵よりもこっちのほうがツボっちゃうようになりました何ということでしょう。
特典DVDが付属して、二話入りで定価6,000えん。1クールアニメの相場ですが、もう一声欲しいよなー。