ちはやふる2#9「わたのはら」
全国大会。
綿谷新にとっての「団体戦」が、ここに。
替え玉としての出場依頼、替え玉としての出場。
これはあまりにも双方ともに考えなしというか、新という、これまで思慮深さが前面に出ていたはずの人物が、いくら頼み込まれたとはいえ個人戦を控えて引き受けてしまう、そのこと自体に違和感がありました。
これすべて「新にとっての団体戦」を仮想的に描くための段取りなのは分かりますが、というか、それが視聴者(読者)に簡単に分かってしまうほどの強引さは、ちょっとあかんだろうと。
しかし、改めて考えるに。
直前に詩暢と会っていること、投げかけられた言葉。それらが無ければ、どれだけ頼み込まれても、参加しなかったのかもしれないな……とか。
詩暢の言葉と千早の言葉の、せめぎあい。
ふたりの言葉、ふたりのスタンスに挟まれて、一話の中で、新の心が大きく動いていくのが、エキサイティングでありました。
結果として、幼い頃の千早たちとの友情を強く思い出し、それが「みんなでかるたをすること」「かるたを愛する気持ちを共有すること」への理解へと繋がっていくのは、美しい構図だったし。
新という人物を「千早にとっての特別な存在」「太一にとってのライバル」ではなく、個人としてのエピソードで際立たせたという点においても、貴重であったし。
それにしても、回想で久々に見た一期序盤の美しさに驚いた。あまり気にしないで見るようにしていましたが、やっぱり二期の作画はだいぶ低調だよなぁ。予算減らされたのかなぁ。
演出は冴え渡る一方なのに、実にもったいない。
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ちはやふる(20) (BE LOVE KC)
原作最新巻、3月13日発売予定。表紙がどんどんフリーダムになっていくなぁ。ふくよか時代の詩暢の表紙とか、どうでしょう。期待。期待すんな。
原作はざっくりと雑誌で斜め読みしています。最新の話に至るまで、ちゃんと熱い。熱いんだよ。アニメ化、どこまでも続けばいいのに。