神様はじめました#13「神様はじめました」(終)

 最後の最後までツメツメにカチカチにコリコリに盛り込んで、贅沢に大団円。フィナーレという言葉が相応しい最終回でありました。
 でもファイナルにはしたくない。ラストであってほしい。まだまだ見ていたい。

 奈々生の家出で引いた前回。血相変えて探す巴衛が毎度ごちそうさまでした。あと蚊帳の外すぎる鞍馬が気の毒でした毎度のダテンダテンダテン愉快でした。空気と化している奈々生さま自虐にも程があるよ奈々生さま。

 とにかく詰め込みまくり&テンポの速さにより、奈々生がわりとあっさり決意を翻したように見えなくもなかったけれど、いちど頭を冷やしたことにより決意を固めたことはしっかり伝わったし、それにより土蜘蛛に対向し得るだけの力を持ったということもよく分かりました。
 ミカゲから継いだ思い、巴衛との繋がり。求められた自分、「神様」の自分。
さらには、お祭りを楽しみにする「人」を目にして、同じ人でありながら……あるいは、同じ人であるからこそ、楽しんで欲しいという気持ち。それが「神様」としての自覚にもつながっていく。
 土蜘蛛バトルはシリアスな雰囲気(を、台無しにする瑞希の「ふー」最高)で舞う神楽が実に美しく、ぐりんぐりん動きまくって、文字通りの眼福、寿命が延びる思いでありました。ご利益ありそうです。
 欲を言えばラストのお祭り舞台でも動いた舞を見たかったけれど。脳内補完するしかないかー。
 最後はお祭り、ゲストキャラ総出演で、楽しい雰囲気を最高潮に盛り上げて、祭りの後にはしっとりとラヴラヴ、美しいキスシーンで締めるとか。
 最終回のお手本のような最終回。堪能いたしました。
 ただ、まあ、土蜘蛛のあたりは「最終回のために危機を演出しました感」がだいぶ強かったので、間にあと一話くらい欲しかったかなあ。それはそれで冗長になっちゃうかもだけど。

 総括。
 全体に可愛らしくも賑やかな雰囲気で、奈々生いい子だし巴衛かっこいいし鞍馬&瑞希を筆頭にサブキャラみんな味があるしで、非常に楽しんで見た作品でした。
 恋愛パートもドタバタコメディパートも、シリアス過去話も繰り返しギャグも、すべて違和感なく取り込んでしまうおおらかさ、懐の深さがあったなあ。
 少女マンガ+大地丙太郎監督の鉄板っぷりを、しみじみと再確認させられました。嫌味のない緩急ギャグは本当に名人芸の域だよねぇ。
 そうそう、菓子屋横丁大好きなので、川越が舞台になっているのも嬉しかったです。押しつけがましさが微塵もなく(最終回では箍が外れたかのように推していましたが!)ただ「舞台」としてだけ機能している、上品な匙加減。聖地商法、かくあるべし。

 ほんと、終わってしまうのが淋しい。
 二期やってほしいなあ。やればやれる、やらなければやらないで。そんな終わり方になっていましたけれども……うーん。

 こんな気持ちになってしまうくらい、素敵な、愛すべき作品をありがとう。
 願わくば再会を。いつかきっと。

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 原作読めばいいじゃない、ってのは正論なんですけれど。アニメの持つ独特のノリツッコミが気に入ったというのがまずありまして、どのくらいギャップがあるのかなあという躊躇。最近、少女マンガが苦手になってきている、というのもあります……。