超訳百人一首 うた恋い。#7「義孝と源保光の娘/高内侍と道隆」
まるで乙女ゲームのようなイケメン声声優の大量投入に戦慄するこの作品ですが、最終兵器・石田彰来ましたわよ。しかも藤原義孝とか、いい役どころだ!
一方、楠大典が藤原道隆。これまたいいところに持ってきてるなあ。
わたくし決して声オタというわけではない、と自分では思うんですが(前にもどっかに書いた通り、声優さん個人ではなく、役どころ含めた声優さんの演技そのもののファンになる性質)こうして配役に唸らされるのは至極快感です。耳、幸せです。
久しぶりの二話構成で、基本のストレートな純愛エピソード。堪能いたしました。
基本的に凄く少女マンガ、それも懐かしめのテンプレな感じなんですが、平安時代という舞台装置ゆえの不純物の無さと、現代的な感性の配合の塩梅がすばらしく、老若男女楽しめるのが良いんだよねえ。
実際、うちの母親あたりは面白がって見そうな気がする。
義孝と源保光の娘。道隆と高内侍。いずれもたいへん浪漫でしたが、取り上げられた歌が二首とも、命の限りについて歌う恋歌というあたり、続けて見ると、含ませるところがあるのかな、と。
達観した感というより、恋により達観できない感。それが、なんともいじらしい。
ながくもがな、と詠んだ義孝。けふをかぎりの、と詠んだ高内侍。対照的でありながら、どこかしら相通じ合うものがあるように思います。
かたや、早世の運命。かたや、没落の運命。それを知り、俯瞰しつつ見るからこその、感慨でもあるのかもしれない。
そんな感慨は、後世の我々のみが味わえる贅沢。
超訳百人一首 うた恋い。ドラマCD
2011年8月。つまりはアニメ化以前に出ていたんですね、ドラマCD。当然のごとく、アニメ化に際して、キャストは総入れ替えですが……藤原定家が岡本信彦というあたりは、ちょっと惹かれるかな。でも、アニメのキャストも、いい感じにハマっているし、どちらも捨てがたいという、一粒で二度美味しい、これは稀有にして幸せなケース。