坂道のアポロン#11「レフト・アローン Left Alone」
ちょうどこの話の冒頭から、原作未読の部分となったわけですが。
……いやー、なんだこれ。原作未読で観ると、こんなにもどきどきするのかこのアニメ。そして、こんなにも意表を突かれるのか。
ぶっちゃけ、前回のラスト、そして原作でこの部分を読んだ時には、ここで普通に(?)千太郎が去ってしまうんだと思ってました。で、少し時間を飛ばすなりして、物語を進行させるのかな、と。
そんな予想が一瞬で崩れ去る。そのカタルシスたるや。
そして和解の糸口を示し、例え最終的に分かれる道だとしても、最後の文化祭はやってくれるのだろう。
そう信じたこともまた一瞬で崩れ去り。
交通事故ってのは、ドラマツルギーとしては定番のものなんですが、ここに差し挟んで来るとは思わなかった。本当に思わなかった。
しかもそれをさらに二重に引っくり返し、千太郎の抱える真の苦しみを浮き彫りにする。
ある種、原罪とでも呼びたくなるような、誰の言葉でも、誰にも救えない苦しみ。
ゆえに薫は、ただ受け入れることだけをする。肯定することだけをする。
泣いてもいい、と。
どれだけの赦しであったことか。
千太郎が今度こそ本当に姿を消して、幕を閉じた今回。残すは最終回、一話のみ。
どのような結末だとしても、納得のいかないものになるはずは無いと信じています。
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いよいよ発売のBD/DVD第1巻。ジャケットの薫は、版権絵で描かれた中でも最高の薫なんじゃないかしら。
とにかくメイキングが気になる。のですが、その他の特典がベタベタなアニメBD/DVD特典であることに、逆に違和感が。
いずれにせよ良き作品、内容勝負だけでもじゅうぶんであります。東映枠だと全4巻なのも、いいよなあ。