坂道のアポロン#1「モーニン/Moanin'」
おれたちのノイタミナがかえってきたよ!
拳ぐっと握り締めてそう叫びたい。そんな作品でありました素晴らしい。
原作はアニメ化決定後にまとめ読みして、7巻まで既読です。現在8巻まで発売中、完結の9巻が今月発売予定とか。完結したらまとめ買いもありかな、と思っています。
で、原作を読んだ後に思ったのは、これ音楽に力を入れてアニメ化したら、すごく楽しめるものになるんじゃないか、ということ。ノイタミナという枠に、とてもしっくりくる作品なんじゃないか、ということ。
その期待と予感は裏切られず。
実に素晴らしい出来栄えでありました。
OPから既に楽曲に力を入れていることが分かり、本編が始まってさらに、音と音楽とに細心の注意が払われていることが分かる。EDがまた素晴らしかったこれ絶対買います買う。
音楽に負けじと、作画の力がまた凄い。千太郎のエアドラム、薫のピアノ、そして後半のドラム&ピアノの演奏シーンといった、音楽にかかわるシーンへの注力には、いっそ鬼気迫るとでも言いたくなるものを感じました。
しかしそれだけじゃなくて、キャラクターの表情や仕草といった細部の芝居が、ひとつひとつ実に良い。地味なんだけれど、本当に丁寧に丹精込めて描かれている印象です。
いやあ……ええもん見さしてもらいました。
あ、そうそう、ひとつだけ。影のつけかたが特徴的なグラデになっていることには、個人的に少々違和感がありましたが、原作がわりとかっちりした白と黒のコントラストの強い絵であるのに、あえてこういうぼかした表現を選んだことが、逆に面白いなあと。その意図を読み取るのもまた、面白し。
ストーリーは、第1話としての必要十分をきっちりと果たしておりました。薫を中心に主要三人の紹介。置かれた状況や設定の説明も、程よい情報量。
ただ、1960年代という時代背景については、あまり前面に押し出して来ないというか、見ていて実感出来ませんでしたが……これは実は原作も同様なので、そこは倣ったということかなあ。
今後の展開で、時代背景が重要になってくる部分があるので、もう少し印象付けて欲しかった気がするんですが。泥くさくなりすぎちゃうかな、そうすると。
ともあれ、期待以上に期待通り(?)で、たいへん満足です。今後も楽しみです。
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坂道のアポロン 1 (フラワーコミックスアルファ)
原作コミックス。最終9巻が4月26日に発売予定です。9冊分の内容をノイタミナの短い1クールでやっちゃうのかなあ?だいぶ詰め詰めになっちゃいそうで心配です。
でも、まあ、高いクオリティを保ってくれるなら、きっと大丈夫。どちらかというと、もったいない気持ちの方が強くなりそう。もっと見たかった、という。