UN-GO#7「ハクチユウム」
何処へ連れていかれるのか分からない不安感を、味わい尽くす。
酩酊感。
たいへん美味しゅうございました。
だいたい今回は原案が『白痴』という時点で、いったいどうなるものやら見当もつきませんでしたが、こういう方向から来たか、と。
白痴のハクチは、ハクチュウムのハクチ。
白昼夢。醒めたまま見る夢から、醒めることは可能なのか。
Aパートは本当に、見ていて引き込まれるというか、誘われて行ったら戻れない世界が目の前に開いているようで、とても刺激的でした。
話が……というか、尺が進むにつれて増大する、別種の不安。これはもしや、幻想の、妄想の、現実への侵食なのか。
それがしっかり当たってしまったラスト、そしてCパートなわけですが、まさか次回まで引きずるというか物語の根幹に食い込んでしまうとは。
ちなみに、映画『因果論』を見ていると、いろいろと分かることもありますが、基本的には見たまま素直に受け止めれば良いかと思います。
白昼夢の内側で、映画の内容も、示唆に富んでいて興味深く。いつもは新十郎が語る安吾のエッセンスを、今回は女優三人娘が分け合って語った感じでしょうか。
そういう意味で、新十郎の持つ観念をも、無意識下で分け合っている存在なのかもしれない。
あの映画のラスト、知りたかった。
しかしこの茫洋とした悪夢めいた世界で、梨恵と虎山がツッコミどころ満載に出てきて、笑ってしまった。あそこで弛緩するのが、上手いなあと。
で、Cパートを見ても、来週にしっかり続いちゃっているわけですが、いったい「世界」の基本設定はどうなっちゃっているのか。どうなっちゃうのか。
あー。楽しみです。ちょう楽しみです。
その前に土曜日はもう一回、監督のトークショーつきの映画『因果論』行ってきますわよ。
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白痴 (新潮文庫)
青空文庫でも読めますが、やっぱり活字で読みたいなあとも思うわけです。しかし私の場合、多分実家のどこかに埋もれているので、買い直すのも悔しい。ところで、なぜかレビューがやたら熱いので、青空文庫で読むにしても、一見の価値があります。
青空文庫:白痴