神様のメモ帳#11「ぼくのかけら」

 ドラマとしての重みがぐんと増しているなあと思う反面、経緯を知っているせいというのもあるでしょうけれど、やっぱりこれはファーストエピソードが相応しかったかもしれないなあ、とも感じられたり。

 前回は衝撃の引きでしたが、彩夏は一応は生きていることが分かって、一安心。
 いや安心どころじゃない状態ではありますが、フィクションにおける意識不明って、九割は治るもんなあ。とか、すれた考え方を……いやいやそう願っているんですよ本当ですよ。

 鳴海が走り出すに至るまでの経緯、そして走り出してからの物語が動いていくさまは、見ていてなかなかの快感でした。
 すべてのキャラクターが組み込まれて、居るべきところに居り、為すべきことを成す。
 主人公ゆえに「触媒」であり、また「渦の中心」に居る、という構図が、ごく自然に納得できるのが、いいんだな。ラノベ原作のお手本のような。

 終盤がまた、緊張感に溢れていて、思わず身を乗り出して見てしまいました。薬物中毒の描写も、怖かった。正気を失った喋り、電話の向こうから聞こえてくる暴力の音。見事でした。

 次回が最終回かぁ。どういうふうに終わるのか、後味よく終わってくれるものなのか……心配でもあり、楽しみでもあり。

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神様のメモ帳〈8〉 (電撃文庫)
 原作の最新刊。1巻での事件主題を再びクローズアップ、ということは、アニメにおける現在の展開の続きになってしまう?ちょっと興味津々。