夏目友人帳 参#10「割れた鏡」

 この終盤で、このエピソードなのか。
 三期は田沼はじめ人間の友人にスポットを当てていく、と、どこかの雑誌インタビューで見た気がするので、なるほど納得であります。

 基本を踏襲した話で、しかし見どころが数多くあって、次週に続いているというのに、見終わって満足感というか満腹感がある話でした。
 雷でテンションのあがっちゃうニャンコ先生(と対照的にクールな夏目)や、庇って庇われてなにやら照れ照れ空間に突入してしまう夏目&田沼、多軌による恥ずかしい文化祭写真の数々、ハンマーで鏡を割る妖怪の怖いけれどどこかユーモラスな姿。

 それと、中盤の夏目が倒れるシーンの前後あたり、ちょっと作画も面白かった。
 基本は落ち着いた優等生的な作画の作品ですが、時々遊びが入るのも、見どころだよなあと。

 後半というか終盤になって、三人で鏡探しする様子も、事態はわりと深刻なはずなのに、どうしたって穏やかな雰囲気が先にあって。
 お決まりの、妖への同情めいた感慨も顔を見せて、ああ、いかにもこの作品らしい空気で、ほのぼのしてしまいました。

 とりあえず、10話にして連続エピソードに突入。全13話の予定らしいので、これが最後の大きなエピソードになるのかな。
 丁寧に綴られる物語、いましばらく楽しんでいきます。

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 同一原作者。現在映画のCMが流れまくりな『蛍火の杜へ』原作、愛蔵版で復刊。白泉社のコミックスってすぐに絶版になるんだよねぇ。描きおろしや読みきりも収録ということで、待っていた人には嬉しい一冊に。
 映画、見に行こうかな。池袋だし。


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