うさぎドロップ#9「たいふうがきた!」

 なにげない一日に(文字通り)一陣の風を巻き起こす。
 リアルでも台風が訪れております今夜、アニメの世界にも雨風が吹き荒れたのでした。

 そういえば小さい頃は、台風というと一大イベントでした。
 暗く曇りゆく空を、不穏な生温さを含んだ風を、突然大粒で降り出す雨を、どこかしらわくわくしながら見守ったものです。
 風に煽られる通学路もまた、非日常の楽しさをはらんで。

 今回のエピソードは、そんなわくわくする気持ちの動きを、丁寧に追っていたのが印象的でした。
 学校で、朝顔を写生しているシーンは、落ち着かない態度のコウキが、台風を前にした落ち着かない気持ちをもあらわしているのかな、と。
 しかし、いわゆる「クラスの問題児」の風格がありすぎて困るよコウキ。それを一喝しちゃうりん凄いよりん。

 そういえば、おむかえのシーン。なんだか演技の浮いたおねえさん二人組だなぁと思ったら、PUFFYのふたりだったのですね。元から原作のファンだという話を目にしたこともあるし、客演的な感じで花を添えてくれたのでしょうか。

 雨の中を歩いて、屋根の下に入って、濡れた身体を拭いて。一連の「台風の日」の描写が細かく丁寧に積み上げられていく様子は、地味な画面なのに見ていて飽きず、楽しめるものでした。
 雨戸を閉めるところから、りんが蛍光灯の灯かりをつけるまでのシーンが、特に気に入りです。
 こうして、日々は積み重ねられていく。生活というよりは、なつかしい、おだやかな「暮らし」。

 あと何話だっけかな。この暮らしを眺めていられるのは。
 淋しくなるな。

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 2巻のジャケット絵きてた。いいなあ可愛いなあジャケット絵。りんが可愛いというだけじゃなくて、いや勿論りんは鉄板の可愛らしさなんですが、このふたりが一緒に居る図……の醸し出すナチュラルな癒しというか可愛さというか。半端ない。