夏目友人帳 参#9「秋風切って」

 文化祭、というとお祭り騒ぎになりそうですが。そこをしっとりしたエピソードに仕立ててしまうのが、この作品ならでは。

 それにしても夏目は愛されキャラだなあ。
 こんなにも皆に(作品中の登場人物にも、視聴者にも)愛されているのに、なおかつ臆病なまま。
 それが愛しくもあり、もどかしくもあり。という焦れったさを、きっちりと描写しきった回でした。
 ついでに、あやかしに関わっちゃったよ三人組(夏目・田村・多軌)の、控えめな決意シーンも、かわいくて情けなくて思わず笑ってしまった。
 みんな似たもの同士なんだなあという。
 それを言うなら、別に妖怪が見える見えないなんてのも、関係ないんじゃないかなあ。と、誰か夏目に言ってあげて欲しいものですが……ここまでに積み重なったものが大きすぎて、重すぎて、聞いてもらえないかな。

 文化祭の楽しさに妖が紛れ込んだことによるひとすじの不穏な空気と、夏目の持つ不安感とを重ね合わせて、味わい深いエピソードでありました。
 そしてニャンコ先生復活おめでとうおめでとう。弱ってる姿も可愛かったけど、やっぱり生意気ニャンコ先生がいちばんです。たぶん。

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 なぜブシロードからスリーブが出ているのだ。これはニャンコ先生ヴァンガードに参戦するフラグですね! ……だったらいいのにな。うん。