BTOOOM!#12「絆」(終)

 特別バージョンのOPは嬉しい。最終回、特殊EDになることはよくあるし、OPがカットされてしまうこともままあるけれど、特殊OPってわりと珍しいんじゃないでしょうか。
 総集編風味の新規PV。なんとなく、だけれど、作品への愛情、愛着といったものが感じられました。
ここでまたオパーイクッションを見ようとは思わなかったが!

 でもって、本編。

 おお、おっちゃんよ。しんでしまうとはなさけない。

 平の死はなにげに悲しかったです。ここまで引っ張って引っ張ってきて死んでしまうとか、がっかりだ。あのルックスで、中年の星になることを期待したのに。
 いやいや、考えようによっては、最終回でメインを張ったってことで、扱いは悪くないのか。全然完結しない最終回だったけれど。

 坂本が己の意思を固めるにあたって、通過儀礼としての存在、だったのか。結局のところ。
殺されかけても(自分のみならずヒミコも狙われたというのに)なお説得を試みる坂本は、どうしようもなく甘かったけれど、必死さは確かに伝わってきました。キレる若者のくせに、根っこの部分はどうしようもなく善良。ってのが、いまどきのニートゲーマーらしいよな。うん。
 平の遺体を前にしての、カップラーメンを二分で……とかの台詞は、凄く良かった。うっかりじわっと来ました。

 その後、ヒミコと気分が盛り上がっちゃうのはちょっと、まあ、なんだ、アレですけれどね……。
 ヒミコの決意は、流れとして自然ではあるのですが、だったら黙って自殺しかけたのを坂本が止める、というエピソードにして欲しかった。あとひとつ、お互いいずれかを殺せば帰れるという状況は、作品全体のクライマックスにも成り得る箇所なのに、口で喋るだけで済ませてしまったのは、とても残念です。

 しかし、流れでやっちゃいそうになったところを危うく止めて、ぐっと来る台詞を吐いちゃう坂本はんは、まじいけめんでした。惚れ直すってレベルじゃないわこれ。心酔しちゃうわ。
 女性は(ヒミコのような経験をしているなら尚更)「自分を大事にしてくれる」男にはちょろっちょろにちょろくなっちゃうもんですから。

 坂本が決意を新たにし、他の面々の状況もさらりと映して、おれたちのたたかいはこれからだ。で、終わり。
 最後にゲーム会社からの動きがある、という引きで終わらせるのは、なかなかいやらしい。これほんと分割で2クール目の構想ってないんですか。どうなんですか。2クールじゃだめなんですか。オリジナルで決着をつけちゃってもよかったのになー。
 意味ありげなコンティニュー画面を出したりして、しかしクレジットはゼロ。そういうこと、なんだろうか。

 総じて。サバイバルものは元来苦手&食傷気味なんですが、主人公の坂本が感情移入しやすい人物であったこと(本郷奏多の演技が新鮮かつ誠実で好感の持てるものだったことも大きい)、ゲームを現実に置き換えたことにより攻略法が存在したり、逆に現実ゆえの計算違いが生じたりする、という設定が面白かったことで、見続けました。
 坂本が(過去はともあれ、この島においては)ブレることなく善性を貫いていたがゆえ、見ていて気分が良かった。というのもあるなあ。

 他のキャラクターについては、練り込み不足、ご都合主義が目についてしまったことも確かですが、戯画的であるがゆえに救われたり、面白かったりした部分もあり。

 とにかく完結しなかったことは残念ですが。気楽に見られるサバイバルもの(って不思議だな……)として、楽しませていただきました。
 スタッフの皆様、ありがとうございました。

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 続きが気になったら、普通は原作を買っちゃうよなあ。「アニメで見たい!」って人でも(むしろそんなライトなファン層は)BD/DVDをあえて買い揃えはしないだろうし。
 コンティニューしまくってクレジットを使うよりも、コンシューマ版を待つことを選択する。よねえ。