アクセル・ワールド#1「Acceleration;加速」(新)

 原作未読。
 個人的にネットゲームというのは少々食傷気味の素材なので、あまり興味を持っていなかったのですが、ホライゾンに続くサンライズの本気モードでのラノベアニメ化ということで、期待もそれなりにあったりして。
 で、ホライゾンと同じ方法論でのアニメ化……というより、可視化。文章(と、作者の頭)の中にのみ存在していた世界を、万人の目に等しく見えるように作り上げた、といった風な。

 いやアニメ化(に限らず映像化)というのは基本的に「そういうもの」ではあるのですが、凝った設定を持ち、またビジュアルに多くを負うライトノベルというジャンルにおいて、この仕事がきっちり気合いを入れて為されていると、見る者の充足感の違いは桁違いのものになるのではないでしょうか。
 今までのライトノベルのアニメ化が、如何に適当に為されてきたか、考え直すきっかけにもなる……ような気がする。
 画面上の情報量を増やし、密度を上げることは、「描かなければ何もない」アニメにおいて、とても贅沢なことですが。そこを怠ったらいかんのよね。
 ファンタジーラノベの成功作が少ないのも、多分、このへんに要因があるんじゃないかなぁ。日本人には、中世風ファンタジー世界の描写密度を上げることは難しい、というのは有り得る話。

 閑話休題
 この作品、単にネトゲが舞台となったものかと思ったら、現実世界の方も近未来設定で、なかなかサイバーパンクしているのですね。良い意味で意表を突かれました。
 主人公の性格がちょっと感情移入しにくいというか、基本的にネガティブなことと、思考回路に唐突なところが見受けられることが気になりますが、今後成長していくのでしょうか。現時点でも、人間関係がだいぶ危ういもののようで、そのへん含めてあまりストレスが無いといいなあ。
 葛藤は勿論あっていいし、あってしかるべきですが、ただ単に見ている者のストレスになるような人間の陰の描き方はして欲しくない、という気持ち。

 ヒロインは、黒雪姫のほうがメインと思って良いのかな。声の演技が若干気になりましたが、まあ、許容範囲内。ビジュアルはとても美しいと思います。でも、個人的には、動いて喋っているところを比べると、千百合のほうに軍配が上がるかな。
 そうそう、イケメンキャラの拓武の存在もわりと気になりますよ。おいしい役どころを持っていってくれるといいなあ。

 話は現状、発端部分なので、次回を見てから、でしょうか。戦闘シーンも次回へお預け。
 アクション作画は折り紙つきなので、とてもとても楽しみであります。サンライズラノベアニメ。いいじゃない。

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アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)
 原作小説の第一巻。レビューは大荒れで、高評価と低評価が入り乱れております。しかし、互いにその評価を納得し合っている空気があるのが、ちょっと面白い。その点数つけるのもまあ分かるよねー、というか、なんというか。

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