神さまのいない日曜日#9「墓守が生まれる場所」
も、もしかして、原作の一冊分を一話で終わらせた……!?
力技にも限度ってもんがあるぜ!
未読ですので比較は出来ませんが、換骨奪胎レベルに大きく組み替えていそうな気配がしますよこれは。
それでも作品の雰囲気、全体の空気、キャラクターの個性といったものを崩壊させることなく、きちんと積み重ねていっているのは、技術的なものももちろん有りましょうけれど、スタッフがちゃんと作品を愛してくれているんじゃないかな。と。勝手な思い込みですが。
だって、世界の描出と人物の感情の綾を、とても丁寧に織り上げてくれているもの。
墓守が人ならざるもの、生者と死者に連なる「第三の種」であること。
彼らの生まれる場所、スカーの生まれた場所。そこを知ることにより、スカーの心が如何様に乱れてしまったのか、おぼろげに感じ取れる。といった組み立てでありました。
幕間として、それぞれのキャラクターが心の奥に抱え続けているものを見せてくれたことも、理屈ではなく感情で受け入れられるもの、受け入れられないもの、を伝える一助になっていた気がします。
……つうかほんとやめてハンプニーハンバートさん出すのやめて嘘ですやめないで何度出されても繰り返されても幻でも、未だにじんじん痛いですよ。
そういう意味で、アイとも凄くシンクロ率が高いのかもしれない。今の私。
アリスの誕生会やら、ユリーの宣言やら、あと普通にドライブしている車中のだらっとした空気。いいシーン、気に入ったシーンは多数あったのですが。とにかく超スピードで飛ばしていった!という印象が先に立ってしまったのは残念でした。
その分、原作の5巻にあたるエピソードには尺を取って、アニメ版の完結エピソードとして力を入れるってことかなぁ。アリス関連に本格的に入っていくと、なかなか重みがありそう、見応えがありそうだし。
いずれにせよ、綺麗に終わってくれると嬉しいのですが。
次回も、楽しみにしています。
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神さまのいない日曜日 オリジナルサウンドトラック
おっとサントラも今月発売だった。買わねば。
エンディングの美しさがとにかく際立っている作品ですが、本編の劇半もまた良いと思うのですよ。美しい世界を表出する一助になっていると。