小説『K SIDE:BLACK&WHITE』

 今回も、読了いたしました。

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K SIDE:BLACK&WHITE (講談社BOX)

 相変わらずスピンオフ作品の出来が良くて、嬉しいやらもったいないやら。
 出来が良い、面白いのは嬉しい。けれど、これが、アニメだけ見ていると知らず、伝わらず終わってしまったエピソードだということがもったいない。
 
 SIDE:BLACK&WHITE、とありますが、&CATで、シロクロネコ、それぞれの過去エピソードが収められた、短編集であります。
 懐旧を持って語る過去。意識の底に沈めた過去。夢の中にたゆとう過去。
 クロの過去は、例によって一言との暮らし。コミック版でもいくらか描かれましたが、そもそもどんなきっかけでクランズマンになったのか、出自はどのようなものであったのか、しっかりと書かれています。ちょいと伏線もあり。
 ネコの過去も、クロと同じく、ネコがいかにしてネコになったのか、ということが明らかに。
 ふたりとも、なんともはや、いわゆる悲しい過去、辛い過去、試練の過去すぎて。ぶっちゃけ両方ともけっこうかなり泣けましてよ。電車の中で読んでいて、やばかった……。

 そして、知ってみればアニメ本編での性格や言動にいろいろと合点の行く部分があり。
 もう一度ふたりの行動を確認しつつアニメを再見したい、と思わせられるものでした。

 彼らに比べると、シロは少々あっさり風味。とは言うものの、大覚の視点を主として、クローディア、ヴァイスマンらがともに居た懐かしい時代を、好もしく頼もしく、少しばかり物悲しく思い出すもので、楽しくも切ないものでありました。
 
 例によってイラストも多数収録、美しい装丁。相変わらずの一段組で、読み応えには少々欠けるものの、実質の三篇収録ということもあって、満足感有り。
 充実の一冊でした。

 いつもの感想はいつものように抱きましたけれどね!
 何でこの設定を、このエピソードを、アニメにしっかり出さなかったのかっていうね!
 そうすれば、クロやネコの突飛であったり唐突であった行動にも、別種の感慨と切なさを抱くことが出来たのに。

 ……もういっそ、2クールに再編成して、再アニメ化しちゃえばいいんじゃないかしら。などと無茶を言う。言いたくもなる。
 それくらい、「K」のスピンオフは、すべて面白い。

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