ソードアート・オンライン#3「赤鼻のトナカイ」
キリトさんがギルドに入るとか、死亡フラグにしか見えません……ギルドの皆さんの。
和やかな雰囲気のアバンなのに、ぜんぜん和めない!ふしぎ!
っていうかギルドのメンバー、見るからにモブ顔なんですもの。モブキャラ立てなんですもの。
この作品、そういうところがシビアですよね。脇役は脇役。主人公は主人公。
ヒロインはヒロインとしてのオーラを出す。薄幸の美少女は薄幸の美少女のオーラを出す。うーん、分かりやすい。っていうかサチのサチは薄幸のサチ……?
約束された悲劇であったことよなあ。
クラインの再登場は嬉しかったです。こうやって行く先々で顔を出してくれるキャラ、意図せずしてキリトの転機に立ち会うキャラであったりしたら、おいしい役どころ。OPにも居るし、半レギュラーということでいいのかな。
ちゃんと道理の分かった「大人キャラ」としての立ち位置にも期待。
蘇生アイテムの扱いは、なかなかシビアというかエッジが効いていて面白かった。
アイテムは存在しなかった、とか、アイテムの効用は予想したものとは違った、とか、そういった方向かと思ったら、きちんと蘇生アイテムであることは蘇生アイテム。ただし、キリトの目的には、そぐわなかった……という。切なさ、やりきれなさ全開、いいですねいいですよ。
全体に、第2話と同じく、説明や描写が不足というか物足りない部分が多々あり、もったいない気がしました。ギルドメンバーとの交流もですが、サンタさんとの派手な戦闘シーンが見たかったのにそこ無いのかあ、と。アニメ映えしそうなのに、ほんともったいない。
お話そのものは着実に積みあがっているので、とりあえず今後に続いていく1エピソードということで。
とりあえず、キリトさん頑張れ。不幸な過去オーラの準備は万全だ!
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仮想のゲーム空間へのダイブとして有名な本を二冊、ご紹介。
クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))
発売当時に読みました。こんなゲームやりてぇー、が、素直な感想であったことよ。RPG全盛期の十代であれば、誰もが夢見ていた世界。
それを引っぱたくような、ラストシーンの痛烈な切なさが、印象に残っています。
クラインの壷 (講談社文庫)
ごく最近読みましたが、1989年に書かれたとは思えないほどゲームについて、仮想現実についての描写が冴えていて、驚かされました。
というか、小説としての手触りに、実に厚みがある。作中で起こっている事件の規模そのものは(より大きな陰謀に繋がることは示唆しているものの)ごく小さいのに、緊迫感が凄い。携帯どころかアパートに固定電話も無かったりして、時代を感じる部分が多々あるのが、逆になんかSFっぽいよ!おすすめです。