つり球#7「切なくてカウントダウン」

 わたくしシリーズ構成&脚本の大野敏哉氏はスイプリでしか存じておらず、他に「中学生日記」とか「世にも奇妙な物語」を手がけた方という認識しかありませんが、その偏った知識で言うとですね。
 友達&家族の喧嘩を書かせたら、ちょっとしたものですよね!

 そこに、中村監督の奇妙でワンテンポずれた異界風味と、作品全体のトーンとして意識されているという「ふんわり」を足して混ぜ合わせたら、こういうことになるのかっていう。
 面白うございました。

 念願の釣竿を手に入れて、友達が出来て、ばあちゃんは退院するし、青春を謳歌しているユキが微笑ましい序盤。
 しかし影を落とすのはハルの言動がおかしいこと。いやハルがおかしいのは元からだろ、というのは置いといて、釣りに対するスタンスが変わってしまったのは、ユキならずとも疑問に思うわけで。
 ハルの戸惑い、胸に宿った痛み。そのあたりの描写がまたきれいで、ズレた行動が微笑ましかったり。サッカー、けん玉。

 ばんそうこう

 夜のハルとケイトの会話、とても美しいシーンでした。
 ケイトが実に「良い大人キャラ」すぎて、たまらんです。歩ちゃんもだけど、この作品を好きになった理由のひとつが、そこだな。大人がちゃんと「大人」をしている。

 ケイトとユキの会話を聞いていると、ユキが本当にケイトを信頼し、また孫として甘えているのが良く分かる。
 歩に対する夏樹の態度も、信頼とリスペクトがあるんだよなあ。互いに互いを尊重する、大人と子ども。ええですね。

 その関係が崩れてしまっている状態が、今の宇佐美家なわけで。夏樹と保のどちらが悪いということではなく、ひたすらすれ違ってしまっている。互いを想う気持ちは持っているけれど、信頼と尊敬を抱くことが出来ない、というか。
 で、保にも夏樹にもちゃんとそれらを持って慕っているさくらは、板挟みになりつつ、なんとか潤滑油になろうとしている……という構図。けなげではありますが、しんどい役回りで、疲れてもいて。
 頑張って頑張った分、爆発しちゃったんだろうなあ。楽しいイベントを期待していたから、なおのこと。

 人間ドラマ部分が錯綜する一方で、SF(青春フィッシングじゃなくて、すこしふしぎのほう)要素もじわじわと進行。
 江ノ島踊りがトラウマになりそうな今日この頃。しかし、怖いのにほのぼのした雰囲気も保っているあたりは、この作品の独自の魅力。

 不満といえば、ひとつだけ。作画が不安定なのはどうにかならないかな、と思います。今回は特に、声優の演技に画面がついていっていないのは、どうかと。熱い演技は素晴らしかったのに、あまりにも合っていなくて、演出ミスの域。
 アフレコ先で、ぎりぎりまで粘っていたのかな。BD/DVDで手直ししてくれるのでしょうか……。
 手直し確実なら、BD購入してもいいんだけどな。うぬぬぬ。

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つり球 グラス
つり球 ストレートタンブラー
 夏を前に、グラスとタンブラーでも。って発売は7月かよ夏真っ最中じゃないですかやだー!グラスは写真で見ると卑怯なくらい美しいけれど、実際使ってみてどうなのかな。いずれにせよ、このキービジュアルだと、グラスが海の中を模しているようで、素敵です。般若もしくはオコゼなユキの顔も、ご愛嬌ご愛嬌。
 タンブラーはまたこの画像の使いまわしかよっと思いますが……ラインナップとしてあるのは嬉しいです、はい。

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