ファイ・ブレイン 神のパズル3#5「そんな気がする」

 罪を憎んで人を憎まず。ならぬ、人を憎んでパズルを憎まず。
さすがだ!

 などと真っ先にツッコミ気味に思っちゃいましたが、この論を持ち出すのに、ルークという第一シリーズのボスキャラ、パズルへの愛憎深きキャラを持ってきちゃって説得力を増しているのが、なんというか贅沢。
第一シリーズを踏まえ、第二シリーズも踏まえて、作っていくのだろうな。

 というわけで、ルークさんご出陣。ビショップのおまけつき、な回でした。

 考えてみればルークもまたジンとは強い繋がりがあったわけで、カイトとレイツェルの両面に割って入れる人間として、もう少し出番があってもいいような気がします。
 が、そこをあえて抑え目にすることで、程よく飢餓感を煽っており、他キャラクターとのバランスも取っているのでしょう。

 カイトとレイツェルとルークによる、ジンの過去を求める表ルート。に、呼応して、ノノハとジンのささやかな会話、揺れ動くジンの心。
 第一話からずっと取っている、ダブルプロット風の構成。
二つの面から物語が進行し、それがバラバラのままでは終わらず、きちんと相補してひとつの結実を迎える。ゆえに単にシーンが密度が濃く、一話ごとの見応えがあるのだわね。
 とか、毎回同じようなことを言っていてすみません。でも、しみじみと楽しく、感心して、見ているものだから。贔屓目は自覚の上。

 今回もまた、ノノハが、パズルから(そしてジンとカイトとレイツェルの三角関係から)適切な距離を取った上で、適切な言動をしていて。
 パズルを見て、パズルの苦手なノノハが「楽しそう」と言う。それを、ジンが耳にする。こういう流れがとても好き。
 楽しい気持ちをまず大事にする。
 順番を掛け違えない。

 そのへんから考えるに、レイツェルの立場って、うーん……なのですが。
 あまり傷つかないでくれたら、よいのですけれど。

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ファイ・ブレイン 公式スターターBOOK: アニメ「ファイ・ブレイン」公式解説本! (主婦と生活生活シリーズ)
 なんとなく懐かしいものを貼ってみる。
 第一シリーズ初期の頃はいかにも「NHKアニメ」らしいムックやグッズがちらほらと見えたものですが、第二シリーズ、はたまた第三シリーズに来て、いまひとつ盛り上がりが見えないのが淋しいところ。ファンの裾野はどうなっているのかなあ。

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ログ・ホライズン#5「アキバへの帰還」

 今回は初めてシリーズ構成以外の方の脚本だったのですね。
 若干の空気の違いはありつつも、しっかり世界には嵌まっていたので、むしろ彩りを深めるものとして、歓迎したいと思います。はい。っていうか『相棒』の脚本でデビューしたとか、他に執筆したアニメ作品が『黒子のバスケ』とか、なんか、面白いぞ……?

 アキバへと帰る道すがら、新しい発見と、過去を匂わせるあれやこれやと、そこからさらに次へと繋がっていくであろう伏線と。
 戦闘やら活劇といった華々しい場面はなく、若干箸休め的な回でしたが、人間関係の整理が為されたり、料理(スキル全般?)についての新発見とそれについてのシロエの考察が始まったり、初心者双子の置かれた窮状が描写されたりと、見応えというか満足感はありました。
 というか、やっと「美味しくものを食べるシーン」が出てきて、良かったなぁ良かったねぇ、と。

 もうひとつ、重要というか気になったのが、大地人について。
 ゲームであった頃にはNPCとして定型台詞しか口にしなかった、背景に等しかった存在が、意思を持ち自律して行動し生活する者として目の前に現れた時、プレイヤーこと冒険者の目に、どのように映るか。
 直継の悪気ない言動にも出ていたように、無意識、無自覚に「プログラム」「テンプレなデータ」として、差別めいた(とは言い過ぎか。人間扱いしない)扱いをしてしまうのが殆どなのでしょうね、きっと。傍若無人に振る舞う輩であれば、なおさら。
 けれどシロエは別の視点、平らかな視点を持っている。料理についても、この件についても、彼の持つ水平思考力とでも呼ぶべきものが、とても頼もしいです。同時に、己の手の届く範囲について悩んでいるらしいあたりも、等身大で良いよね。

 しかし、大地人にとって冒険者は、どのように映っているか、というのも気になるポイントであります。というか、むしろ個人的にはそっちの方が気になったり……二次元とか無機物とかデータの塊とか、そういうものに普通に感情移入してしまうたちなので。わたくし。

 何にせよ、毎回面白いし、同時に問題をどうやって解決するかという楽しみと、問題が解決されて目の前が開ける心地よさがありますね。
 水平であり、地平。なのか。

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database feat.TAKUMA
 オープニング。わりとなんというかあまり作品にはぴったり合っているという感じではないと思わなくもない(婉曲)ですが、単体の楽曲としてはなかなか格好良いですね。映像とのフィットはよいかんじなので、耳に馴染んだらだいぶ好きになりそうな。

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宇宙兄弟#80「秘密」

 久しぶりの六太さん、安定の六太クオリティで、なにやらほっとします。
 調子に乗る。けれどオチる。
鋭い。けれど鈍い。
 独り言。

 日々人視点から戻ってみると、なにやらしみじみと沁みます。妄想やら内省やら、悲喜こもごもの等身大(と感じさせる)の人物像は、やはりこの作品の肝であるなあと。
 でもって、オリガについて、15歳=子ども、とテンションを下げるあたり、健全すぎて涙が出るぞ。
 ……しかし金髪美女の妄想ばかりしていないで、お兄ちゃん、日々人のことを察してあげようよ。という期待を軽やかに踏みにじり(?)、ズレた発言をしちゃうあたりも、実にむずむず、もどかしいのだけれど面白くて、うん、こういうもったいぶり方は好きです。はい。

 六太のNEEMO訓練、日々人の新部署着任。これまでとは違う場所に立ったことは同じなれど、先の展望には天と地の差があり、見ていてやきもきさせられます。
 兄弟で月面に立つ日は、果たしていつになることやら、と。
 もっとも、あまりそれは前面に出してはいないのですよね。タイトルは「宇宙兄弟」であり、様々なかたちで「兄弟」あるいは「疑似兄弟」の有り様が提示されてはきましたが。むしろ今の時点でやきもきさせられるのはシャロンについてで。
 しかし、最終的にはそこに着地するだろうという信頼があるので、安心して見ていられるのだな。多分きっと。

 ともあれ、六太視点に戻り。NASAや、他の登場人物の描写も出てきて。
 ここでケンジの家族へとフォーカスするのは、今後の展開への伏線という意味で、わりとドキドキしたりしますが。はてさて。さてはて。
 妻子をアメリカに呼び寄せる。呼び寄せられて、移住する。
 いずれの決意も、重そうです。

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国際宇宙ステーションのすべて (洋泉社MOOK)
 宇宙気分、宇宙兄弟気分を身近に手軽に味わえる。それが、ISSを眺めること。日本上空を通過する時に、しばしば眺めています。最初に見た時はけっこうなスピードにびっくりしたものでした。そして、「あの中に人が居るのか……」と、やけに感動してしまい。
 宇宙、行きたいなあ。

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ガリレイドンナ#4「スノーギフト」

 ガリレオのスケッチを探す旅。偶然出会った浮浪者っぽい人が偶然持っていました良かった良かった。灯台下暗し……ってそんなことわざで済ませちゃうんですか!いやいやなにかの伏線がきっと隠されて……?
 なおかつ、お医者さんであり、ミクロドクターという機械の開発者であり、重傷を負った星月もおかげで救われて。
 ここまで便利なゲストキャラクターというのも珍しいというか便利すぎるし、これはやはりなにかの伏線がきっと隠されて……?

 などとしょっぱなからケチをつけていてすみませんすみません。
 お約束で、怪我を見て態度を軟化させ、操縦を頑張っちゃう神月とか、お約束ゆえの一定の心地よさはありました。
 同じく、星月の怪我を知って矛を収めるシシーニョとか、これは安定のシシーニョさんな嬉しさ。
 部下の人心掌握が今ひとつなっていない、とも感じられてしまったけれど。だってあれ、完全に、シシーニョの理念を知った上で暴走されているわけで。ううーん。残念リーダーであったか。でも人望はある。
 アイドルおやぶんなのかしら……それはそれで妄想がはかどりましたごちそうさまです。

 閑話休題
 神月の緊張をほぐしつつ、ガリレオのスケッチをゲットし、人脈も広げて、という、堅実なお話となっておりました。一話単体として、なかなか見やすかったかと。
 冒頭に書いた通り、どうしてもご都合主義っぽさが目についてしまって、話に乗っていきにくいのが難点ですが。星月の怪我にしても、なんか病気のようにうなされているのが違和感で……いや血まみれにしろとか骨を突き出させろとかは言いませんけれども。

 あんまり深いこと考えずに見ていくしかないかなあ。いろんな意味で。

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ガリレイドンナ 木製ストラップ グランデロッソ
 きんぎょかわいよきんぎょ。でもきんぎょこわいよきんぎょ。戦闘モードに入ったきんぎょが怖いというか、なにやらグロテスクで、違和感があって……この作品全体につきまとう違和感の象徴にして凝縮。なのかも。

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サムライフラメンコ#4「アイドル蹂躙」

 制服で会った途端に態度を豹変させるとか何この娘さん。っつーか、ないわー。
 ……と、瞬間的に思ったあとで、いやしかし夜に第一印象最悪で会った人物が、翌日の昼間、超絶似合う メ ガ ネ をかけて出てきたら、確かに態度豹変させちゃうかも!とか納得してしまった自分がチョロい。だめだめだめだ。

 フラメンコガール、登場の巻。
 幾分かは予想していましたが、なんとも楽しくもしんどくも面白くも情けない展開になりまして、いやそれはいつものことか。このアニメ毎度のことか。

 冒頭で、師匠がついて、多少は頼れるヒーローになったかも。と思った次の瞬間、けちょんけちょんにやられて、救ってくれたフラメンコガールの尻に敷かれるとか、まったくもっていつものサムライフラメンコさん。
 その師匠もまた頼りないことこの上ないわけですが、いや頼りないというか頼るべき部分と頼れない部分をしっかりと見極めなくちゃいけないタイプで。

 そういう意味ではフラメンコガールこと真野まりもまた、一面では頼りがいがあり、一面では頼りなさすぎ(むしろ足を引っ掛けられて倒されそう)で、一筋縄ではいかない印象。そういった多角度的な人間味、良い意味での面倒くささ(しかし見ていて不思議とストレスにはならない)が、ほぼすべてのキャラクターに与えられている。というのが、楽しんで見ていられる理由なのかなぁ。
 出オチで終わってもしょうがないようなものなのにね。サムライフラメンコも、フラメンコガールも。

 そろそろメインキャラクターの顔見せ、立ち位置は整ったあたりでしょうか。
 あとはどんなふうに動いていくか。
 生々流転。楽しませていただきます。

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デートTIME
 ポップでキュート(死語の世界か)なエンディング、楽曲も映像もお気に入りです。本編から繋がっていくエンディングの入り方も好み。というか、その手の演出に弱いんだな……思い返すに、第一話からそれをされると、すごく評価が甘くなる気がする。

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境界の彼方#5「萌黄の灯」

 博臣かわいいよ博臣。妹溺愛兄かわいいよ馬鹿兄。ラストシーン最高だった……ああ、最高だった。いいなあ。兄、いいなあ。めらめらめら兄萌えめらめらめら。
 黒髪ぱっつん寒がり属性。実力あり。冷徹に見えることもあるけれど本質的には人がよさそう。「兄」として、いいところづくめじゃないですかやだー。

 とか萌えつつも、博臣というキャラクターは、ここまで出番が少なめでありながら、実力者であることを顕示&未だ見せない過去やら設定やらを持っているいる、というあたりで、今がいちばんおいしい時なんじゃないかなぁ。とも思っております。わりと身も蓋もない。

 ともあれ、メインキャラ四人が部室に揃って、微妙に部活ものの体裁も整って、ぐんと雰囲気が良くなった感がありました。
 そして、未来が鍵というかやはりヒロインなのだなぁと実感させられた気がします。未来の精神状態が平穏になるのと呼応して、見ている方も気持ちが穏やかになるという。

 美月の抱える静かな鬱屈にフォーカスしつつ、これまでの話のとりまとめというか、エピローグにしてプロローグのような。
 未来の文芸部加入、メインキャラの精神面のフォロー、サブキャラの整理。
 これまではひたすら引っかき回しのお騒がせで、フォローされる一方だった未来が、心を開いたことにより、逆に関係者の間に輪をつくっていく構造になっている……というのが、面白いなあと思いましたです。

 まだまだ禍根は残っているし、不透明な部分もあるし。しかし部活ものとして、というか、主人公集団が結成(というほど力強いものでもないですが)されたことにより、見やすさが増し、ストレスは軽減され。
 シリアス、ギャグ両面での掛け合いも楽しめるようになるのかな、と。

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TVアニメ 境界の彼方 キャラクターソングシリーズ Vol.2
 キャラソンかぁ。しかもこういう組み合わせで来るのかぁ。ちょっとドキドキしますねキャラソンはジャケットが第一の生命線ですね。なにをいっているのかわからない自分でもわからない。
 ……とりあえず、博臣かわいいね。うん。

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ガンダムビルドファイターズ#4「ガンプラアイドル キララ☆」

 いやあ。キララ、凄かった。
 何が凄いって、凄い、萌えない。こんなにも萌えないキャラだとは予想外だった……!
 ガンプラアイドルとかいう設定を聞いた時点では、きっと媚び媚びなキャラで来るものとしか思えなかったので、これは誤算でした。良い方の。
ええ、良いんです。萌えなくて良いんです。ホビーアニメでこういうキャラが普通に萌え度が高かったりしたら、若干引いてしまいますから、私の場合。なので、身構えて見たら、こういう結果で。良かったのか悪かったのか。

 お話としては、いろいろあるよガンプラバトルの世界は。といったところ。
 しかしまっとうなホビーとして認知されているのかと思いきや、ガンプラバトルをするアイドルは「アキバ系」の扱いというあたり、もう一歩踏み出して欲しい感覚。ガンプラバトルが「メジャー」扱いである世界観へ、もう一歩。
 アニメのガンダムが下敷きにあって、ガンプラがある。という起源は崩せないので、感覚的に難しいのかもしれませんが。ラルさんはまだしも、前回の駄目な大人たちにも同種の違和感(違和感が存在することの違和感)があったのは、このへんだろうか。
 従来のガンダムガンプラ、大人のファンへの訴求力と、バーターになっている気ような気がします。

 だいぶ脱線しましたが、キララの話に戻すと。キララはともかく、ミホシはだいぶ見た目的には好みでありましたが……他人のガンプラを傷つけるというホビーにおいて最低最悪の行為に及ぶことに不快感を抱いたのは当然として、そういう役柄を、こういうキャラクターに振っちゃうのか。という、妙な感心もしてしまいました。
 まっとうに戦う気がない、企業戦略として強要されたファイターに背負わせる。とてもスマートなやり方であります。
 スマートすぎて、葛藤の生まれる余地が無かったのは残念ですが、多分この作品全体の空気やテーマからして、そっち方面にリソースを割くものではないという判断なのだろうな。
 今後、再登場するとしたら、どのような扱いになるか。どのような成長を遂げるのか。そこらへんが気になるところ。
 作品全体の精神にも、関わってくるところなので。

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HG 1/144 ビルドストライクガンダム フルパッケージ (ガンダムビルドファイターズ)
 ガンプラには手を出したことはないのですが、レビューを見ているだけでなんとなく楽しいです。濃いファンの皆様ががっつりとついていらっしゃるのだなぁと。
 プラモデルは難しそうだからなぁ……プラクションくらいでいいの……私……。

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